Monthly Archives: July 2010

OpenStackの狙いとは?クラウドのオープンソフトウェアの本当の意味

簡単に言ってしまえば、独自使用でクラウド事業に業界を席巻しているAmazon Web Services対抗の戦略、と片付ける事ができる。

事実、AWSの市場シェアは恐らく誰も追いつく事が出来ない規模に達している可能性があり、強いて上あればGoogle、Microsoftが規模的に競合できるインフラをもっている、という事ができる一方、提供するサービスの範囲、パートナー戦略、B2B市場での実績、では、AWSが先にいる、という解釈が一般的である、と言える。

Rackspace Hosting社は、運用しているWebサイトの数では、業界での唯一AWSに対抗しうる件数を誇るベンダーである。 それ故、クラウド事業者としてはAWSの競合として比較される事が多いが、Rackspace Hosting社がAWSのビジネスモデルと根本的に異なる面がある。 それは、本業がホスティング事業だ、という事であり、クラウドサービスはコロケーション、CPUレンタル、VMリース、メールホスティング、等のサービスメニューの一つでしかない、という事実である。

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Rackspaceが発表したOpenStack、その背景でOpen SourceとOpen Coreの違いを考察

Rackspace Hosting社が、OpenStackと呼ばれるオープンソースの提供を発表し、Intel、Dell、AMD、そしてNASA等、多くの企業から支援を受ける形で話題を呼んでいる。 
クラウドの共通APIの制定や、クラウド間のアプリケーション互換性を保証する議論が業界内、特に主要クラウドベンダー同士で行われているが、今ひとつそれぞれの事業モデルに合致する方法論が見出される事なく、独自仕様のクラウド環境が乱立する市場が形成されているのが現実。

Rackspace社も同様の立場におり、本来なら自社の顧客を独自仕様で囲い込みをし、他社プラットホームに移行させない様にする戦略を取るのが定石であろうが、Amazon Web Servicesに続いて、世界で第2位の規模を誇るクラウド上にベンダーがあえてオープンソースの動きに出たのはいくつかの理由があげられる、と言える。

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NASAがNebulaプロジェクトで採用していたEucalyptusの使用中止:スケーラビリティ/オープン性に問題

NASAがEucalyptus社の技術から撤退し、Rackspace Hostingと組んだ事の背景には2つの大きな問題が表面化した、という事が議論されている。

1) Eucalyptus社のコードでは、NASAが必要としているScalabilityが達成出来ない
2) Eucalyptus社のコードが完全なオープンソフトウェアではない

NASAのCTOであるChris Kemp氏によると、NASA内で開発したコードが、Eucalyptus社の有償版の機能と重複する為に、オープンソフトウェアとして配布する事を却下された事が直接的な原因。このため、NASAは独自に(Eucalyptus社のコードを一切使用せず)演算エンジンとファブリックコントローラを開発し、Apache 2.0のライセンスを通して配布する事を決定し、現在はRackspace社のOpenStackの一環として提供されている。

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